[政治・経済] 量的緩和解除

とうとう、日本銀行量的緩和政策の解除が鮮明になってきました。

量的緩和解除の観測があって、金利は少し思惑が先行する動きになっています。

昨日のニュースですが、とうとう三井住友銀行みずほ銀行は住宅ローン金利を3月1日から引き上げることを決定しました。
固定金利が約 0.1 % 上昇させるようです。

そのように金利が変動していくわけですが、量的緩和政策の解除にはおそらくいくつかの問題が伴うでしょう。

まず、これからの金利の動きを決める指標は何かという課題があります。現在、消費者物価指数日本銀行の政策を決定する基本指標として採用されるようです。

しかし、この指標は十分経済情勢を反映しているのでしょうか?

まず、80年代の終わりに生じた日本のバブル相場においては、実際のところ、消費者物価指数はそれほど高まっていなかったという事実があります。あれほど猛烈な不動産バブルに対して対応できない指標というのはそれだけで十分問題という指摘があります。
他に、現在生産者物価指数の上昇を伴いながら、安定した消費者物価指数で推移しているわけですが、そのギャップが何から生まれているかということです。

指標の他に重要な問題としては実務的に金利変動時代に対応できる体制が市場に参加している各社にあるのか、ということです。

現在、短資会社はどこも人手を欠いています。平均年齢は30代後半で最近数年間採用がないという状態が続いてきたのです。

他にも、一般的な銀行・証券などのコール市場担当者はこの長い0%金利と閑散とした市場のため、多くは配置転換され、コール市場の業務から離れてしまっています。

おそらく、多くの金融各社は、短期金融市場業務を行うための研修を年末の忙しい中、現在、必死に行っていることでしょう。

しかし、研修を行ってその業務が形式的にできるようになったとしても、独特の勘、市場の匂いを感じる能力までを伝授できるわけではありません。

ただ、この問題はただ単に時間が解決してくれる問題かもしれません。

現在の日本銀行が描いているロードマップでは、量的緩和の解除後もしばらくは、ゼロ金利が継続する見込みです。

ゼロ金利が継続する限り、現在とほぼ同じように短期金融市場は閑散としているでしょうから。