[政治・経済] 金利上昇時での住宅ローン

金利がこれから急上昇するという観測が多くの人に共有されるとともに固定金利型の住宅ローン商品の売り込みが激しくなっています。

今日は私の blog としては珍しく実践的な話題をします。

今、住宅を買う人が必ず悩むことがあります。それは、住宅ローンを借りるのに変動金利型が良いか、固定金利型を買うのか、どちらが良いかについてです。

これから金利が上昇をするというのは、多くの人で認識が一致している点ですが、そのスピードについては人によって予想値は大きく異なります。

そのため、どちらが良いかについての認識が人によって変化するのです。

ここで、結論を急いで聞きたい人には大変申し訳ないですが、ちょっと待ってもらって、住宅ローンというものについてちょっとおさらいをしておきましょう。

住宅ローンというのは、繰上げ返済などの返済条件の変更オプションがついた長期の借り入れです。現在では多種多様な商品が提供されており、繰り上げ返済の最低単価やその手数料、そして変動金利型と固定金利型の相互の変更時の条件などによって可能となっています。

住宅ローンは他のローン(自動車ローン、学資ローン等)と比べて圧倒的に有利な条件で借り入れ可能です。そのため、住宅ローンを使いこなすことは金融資産の管理上重要な役割を果たします。

例えば、近い将来に自動車購入や子供の進学といったイベントが控えている場合は住宅ローンの頭金を少なくしてでも、手持ち資金に余裕を持たせつつ、多くの資金を借り入れした方が良いでしょう。住宅ローンの頭金を少なくすると、子供の進学等の時点で手持ち資金が不足し、その結果、高金利の学資ローンによる借り入れが必要になってしまうかもしれないからです。

さて、このあたりまでは、普通のファイナンシャルプランナーに相談して、教えてもらえるでしょう。

ここから、住宅ローンをどのような形にするのかについて悩んでいる人のためにまだほとんど注目されていない新しい手法を紹介したいと思います。

住宅ローンの金利というものは、時期によって変動します。

この住宅ローンの金利は日本国債金利との連動性があります。日本国債金利が上がると、住宅ローンの金利は上がり、日本国債金利が下がると、住宅ローンの金利は下がるのです。

つまり、多額の住宅ローンのポジションをあなたの金融資産の中で持とうとしているのであれば、その金利の上昇に備えるために、日本国債を逆ポジションを持つことによって、金利上昇に備えることが出来るのです

日本国債を逆ポジションで持つ?

聞いたこともない方法ですね。

けれど、すでにこれは一般的な投資家であっても可能な方法になっています。
そして、この方法は、固定金利を借りる場合に比べて「どれだけリスクを抑えるかを自分で決定できる」「経済情勢次第での変更が容易」「手数料が安い」といった利点があります。

ひまわり証券のような証券会社は、日本国債先物取引を一般のお客さまに提供しています。この日本国債先物取引は、200万円の証拠金から利用可能で、日本国債を売り建て、買い建ての両方から始めることができます。

もちろん注目されていないということは若干問題点があり、この日本国債先物取引は、一般の人間が手を出すにはあまりにも危険性が大きいという問題があります。

東京証券取引所の日本国債先物取引レバレッジは 100万倍になっています。現在日本国債先物は 約132円程度ですから、最低のポジションで、1億3000万円ほどになります。これだと、住宅ローン金利上昇にに対抗するための逆ポジションを作るにしてもあまりにも大きすぎます。

しかしながら、このひまわり証券のホームページでもほとんど解説されておりませんが、ひまわり証券では、証券限月 CFD 取引という形で海外市場での取扱商品を日本にいながらにして購入することができます。この海外市場の商品の1つとして、シンガポールの取引所で提供されている Mini-JGB があります。

東京証券取引所の日本国債は、最低単位が 1億30000万円ほどですが、この Mini-JGB (JGB :Japan Government Bond) では10分の1 の 1300万円単位で購入できます。そのため、必要な証拠金もずっと少なくて済みます。

シンガポール市場(SGX) の日本国債東京証券取引所の日本国債と価格連動性があります。シンガポール市場の方が市場が開いている時間が長いなどの利点もありますし、あえて個人の投資家が東京証券取引所の日本国債を選択する理由はありません。

この Mini-JGB を売り建てすることで、住宅ローンと組み合わせたポートフォリオ全体では、固定金利の場合と同じように金利上昇しても家計に打撃を受けないで済むような収益曲線を実現できます。

金利が上昇すれば、住宅ローンの支払いは増えるものの、日本国債の売り建てによる利益でカバーできるわけです。金利が下落した場合は、住宅ローンの金利も下がるわけなので、日本国債での損失は住宅ローンの支払いが少なくて済むということでカバーできます。金利が下落した局面においても、住宅ローンの金利が下がらないような場合が最悪なケースになります。そういう不当な利益を搾取する銀行があれば、その銀行に悪態をつきましょう。

日本国際で逆ポジションを持つ方法はすでに多額の住宅ローンを変動金利で抱えているものの、これから固定金利に変更しようかと検討している方にとっては一考の余地ある方法でしょう。金利タイプの変更には通常、多額の手数料が必要となるのですが、それがこの日本国債で逆ポジションを持つ方法では非常に小額に抑えられるからです。

もちろん、日本国債先物取引限月取引であるため、限月に達するごとに決済と新規をしなければいけないことや利益が雑所得として課税される税務面の問題など運用上いくつか考慮する必要があります。

えっ。日本国債先物取引なんて、リスクが大きすぎるって?

多額の住宅ローンを抱えるということそのものがリスクが大きすぎるのですよ。

なお、この記事は、特定の投資商品を推奨するものではなく、すべての金融取引にはリスクが伴います。自己判断にて行っていただけますようよろしくお願いいたします。