谷垣財務相、地域通貨の「絆銀行」を提唱

現職の財務相地域通貨に言及しているのを見たのは初めてだ。それも、首相の座を狙っている人の一人からの発言。

話に聞くところでは、地域通貨は現在 経済系や政治系の大学生を魅了するテーマらしく、最近の卒論に非常に頻繁に取り上げられるらしい。

地域通貨は若者の興味を惹き、そして課題の多いものなのであろう。

少し話は変わるが、われわれは現在 GDP や GNP で量られる経済活動というのは全体の非常に小さい一部でしかない。経済学部の学生なら GDP について学んだときに同時に自家消費という単語も聞いたことがあろう。農家が販売用に生産した場合は GDP に含まれるが、自分で消費するために作った場合は GDP に含まれるかどうかという問題である。

これはよく間違われる。というよりもかなり微妙な問題だ。正解は 「GDP に含まれる」になる。この場合は特別な場合で帰属計算という特殊な処理がなされることで、GDP に含まれる。

しかしながら、サラリーマンの日曜菜園は帰属計算はなされない。他にも例えばベビーシッターや家事代行のサービスをお願いすれば GDP に含まれるが、家庭の主婦がそれを行った場合は GDP に含まれない。これは現在の GDP の算出方法の場合だが、これらの線引きというのは微妙で難しい問題だ。

他にも、サービスの物々交換は GDP に含まれない。例えば、おじいさんに荷物の受け取りを代わりにしてもらって、そのお礼に床屋まで車椅子を押してあげるというような行為はお互いにサービスを提供し合っており、社会全体の効用を増しているが GDP に含まれない活動だ。

これらのすべての人間の行動を経済的価値を生み出している活動とみなして、計算しなおした場合、ちゃんと GDP に含まれるような経済活動というのは活動全体の中で非常に小さい一部分だ。

このような活動が増えていけば、いつか将来、次のような未来が訪れるだろうか。

24世紀人の証言

The  economics  of  the  future  are  somewhat  different.You  see,  money  doesn't  exist  in  the  24th  century....  The  acquisition  of  wealth  is  no  longer  the  driving  force  in  our  lives.We  work  to  better  ourselves  and  the  rest  of  humanity."  −Jean-Luc  Picard  (from  STAR  TREK  "FIRST  CONTACT
未来の経済は幾分、違っています。つまり、24世紀には、貨幣は存在しないのです。...富の獲得はもはや生活の原動力ではありません。我々は、自分と人類が向上していくために働いているのです。」  −ジャン=リュック・ピカード  (出典:  スター・トレック「ファースト・コンタクト」