変調していく世界経済での投資行動

マーケットの変調というのは今実際に何が起こっているかではなく、資金を持つ人が今何が起こっているかを知っていくことによって、起こる。

現在という時代の特徴は世界経済の連動性が大きくなっており、特に個人投資家がファンドなどを通じて世界のマーケットを揺らすことだろう。
これはつまり、悪いニュースがあったとしても個人投資家も含むそのニュースに対する理解が臨界点に達するまで、マーケットの崩壊は遅れるということだ。

特に現在は日本の大量に存在する個人資産が世界市場と接続されつつある時点にある。日本の多くの資金を持つ退職者たちは、世界経済の奥深くで何が起こっているまでは調査せず、人づての知識や新聞での大本営発表をベースに投資先を決定している。
この状況下では、今現時点で何が起こっているかという正確な知識というのは早すぎる行動を招き、最適な投資(投機)行動のベースにはできない。


現在の市場の振り子が揺れるリズムは現状に対する深い理解に基づいた投資を行う投資家と、値ごろ感といった感覚で投資する投資家との綱引きによって、作られている。

結局、今後の相場推移は大本営発表がいつまで世界経済が悪化していないことを発表し続けるかということと、この知識がフラットになった時代にどれだけ多くの人が今本当に怒っている状況を知っていくかということで決まっていくだろう。

最適な行動は、多くの資金を持つ人と同じ感覚・知識を持って投資行動をすることだ。ケインズが言うように美人投票では平均的な人が最も美しいと思う女性に投票するべきなのだ。