裏シリコンバレーツアー

シリコンバレーツアーは、2008年3月に開催された有志の学生・社会人によりシリコンバレーを訪問したツアーだ。最初は5〜6名だと思っていたらあれよあ れよと人数が増えてしまい、最終的に 18 名の大所帯になってしまった。

3月9日(日) 朝に JTPA シリコンバレーツアーの人たちと解散。JTPA シリコンバレーツアーの参加者の中で、裏シリコンバレーツアーにも参加する人が4人いたので、その人たちと一緒に待つ。空港でネットしながらメールを確認してもらっているうちに、裏ツアーの参加者の一部が JTPA シリコンバレーツアーで使っていたホテルに一緒に宿泊していたことを思い出す。彼らと一緒のバスに乗り合わせてこれたら効率が良かったのだが、そうすることをすっかり頭から抜け落ちてしまっていた。非常に申し訳ない。

11時頃にみんな到着すると思っていたら飛行機が到着してからの手続きでみんな手間取っていたらしく12時ころにだいたい到着し、出発。レンタカーで借りるために列車で 3駅ほど移動しなければいけないこととレンタカーで借りるための手続きに30分ほどかかってしまったことが大きな誤算であった。

借りることができる人だけでももう少し早いタイミングで集めておいて、前もって、借りて、国際ターミナル前に自動車を集めておくことができたらずいぶんとスケジュール的に違っていたかもしれない。

なお、借りたレンタカーは、 TOYOTA のミニバン。TOYOTA 製にしたおかげかアメリカで使っていてもあまり違和感は感じなかった。

3台借りて一緒に移動することにまだ慣れていなかったため、私が先頭を走ってついてきてもらうことができるのではないか、と思ったがそれは幻想であった。私が先頭を走るのに慣れていないということもあったが、新しい環境でそこまで配慮して運転できない。そのため、最初以降の運転は出発地点と到着地点は同じであってもそれぞれドライバーは自分の責任で、自分で向かうというポリシーに変更になった。

サンフランシスコ国際空港からスタンフォード大学への道中ですでにシリコンバレーに到着していた ujihisa などをピックアップ。

またスタンフォード大学で残りのメンバーとも合流する。いろいろどたばたがあったがちゃんと合流できてよかった。ちゃんと携帯電話を確保している人が何人もいたことが心強かった。

その後、表ツアーでもお世話になった井上さんに案内してもらう。忙しい日程の中、さらにこちらが大変に遅刻してしまったため、とても短い時間になってしまったことが悔やまれる。

Stanford 大学では、キャンパス内を見学する人たちと、アップルストアでショッピングする人たちで別行動することにする。

16時半にホテルに到着。ホテルに到着後は、ホテルでパーティを行うことになった。もともとは、近くのレストランで食事をする案があったのだが、それは当日変更して、ホテルのスイートルームで行うことにした。

ホテルの部屋でパーティを行ったことで、とても疲れきっていた人などはベッドで寝ることができてその点が良かった。こういうツアーイベントでは、初日は大変疲れている人がいるものであるので、それを想定した行動にするべきだ。

ピザを注文したり、Antonio ショッピングモールで、食材を購入したりして、食べる。やはり近所のスーパーで
ショッピングすると大変単価が安くなる点がすばらしい。アメリカは食事に思いのほかお金がかかるので、部屋で
食事したのは経済面でも大変良かった。最初、追加ベッドがどこにあるのかが分からなくて困っていたのだがソファを組み立てなおすとベッドになる仕組みだったようだ。

パーティ時間中に恒例の自己紹介を実施。Augmented Reality系の人が大変多くて驚いた。みんないろんな縁で集まっている。正直に言ってそれほど告知をしっかりしていたわけでもないのに、このツアーに集まってきたというのは何かの強い縁を感じる。

結局初日は疲れていたため、23時くらいに就寝。

3月10日
この日の午前中は、Sun Microsystems 。朝食は、前の日のパーティであまった食材をもぞもぞと食べる。

Sun Microsystems の Executive Briefing Center に行く道中、大変危険とうわさされていた East Palo Alto を経由する。窓ガラスはちゃんとはまっているし、壁に落書きも書かれていないし、期待はずれ。(?)

Sun Microsystems でのスピーチはとてもしっかりした内容のものを用意してもらえており、大変驚いた。
日本から学生がわざわざやってくるということで特別待遇でスピーチを用意してもらえたようだった。

心配だった質疑応答もみんなしっかりと質問しており、質疑応答で静寂が訪れる最悪の事態は無事に回避された。

Sun Microsystems は、11:00 に終了予定だったのだが、一緒に記念撮影などをした結果最終的に Sun Microsystems を出発した時間は 12時近い時間に。時間がどんどん過ぎる。

この日の次のイベントであるシリコンバレーレクチャーはスタンフォード大学で14時から。
それまで 2時間あるから大丈夫、とちょっと安心していたらところがどっこい、昼ごはんを食べていると時間がすぐに足りなくなってアセる。このときの昼ごはんはそれぞれグループごとの行動だったのだが他のグループと結局 Stanford Shopping Center で同じレストランに入ろうとしているのを発見したのがおかしかった。みんな好みが似ているというか、同じような場所で探してしまうということなのだろう。

シリコンバレーレクチャーは本来、IPA の未踏プロジェクトに参加している人向けに行われたもの。もともとマイクロソフトの日本法人で働いていた古川さんからのとてもエネルギーに満ちていたスピーチはメモなどを使わずに
力強く話すスタイルが印象的であった。質疑応答で出てきたおいしいレストランの見つけ方や、彼の若い頃の仕事ぶりに関する話などはとても参考になった。ぜひまたお話を聞いてみたい。

古川さんのスピーチの中で参考になったフレーズをいくつかここに紹介する。
「外にある新しいものを正しく評価できることが大切」
「自分のエネルギーをぶつけながら仕事する」
「自分の信念を持ってケンカを売るべき」
「あとで調べるではなく、すぐに理解する」
「Please と Thank you を欠かさない」
「自分が何をしたいかを表現する」
「事前に地図を印刷してから行動する」
ビルゲイツは自分より分かっている人に任せる能力がある」
「自分を論破しようとする人間を味方にする能力を持つ」
「相手のことを深く調査し、時間を密にして過ごす」

# 古川さんのブログにはこのときの模様の写真が公開されているのだが、
# 本来IPAの未踏の人向けのイベントであるにもかかわらず、裏ツアー
# 参加者の方が多数うつっている。大変恐縮である。

シリコンバレーレクチャー終了後は、グループに分かれた夕食。このときに、行動がせっかちすぎたようで一部のメンバーを置き去りにしてしまってえらいこっちゃになったようだ。悪いことをしてしまった。

その日の夜は、TOFU HOUSE で食事をする。大変美味であった。
すばらしい。

3月11日(火)

この日の朝は 11時の Google からと少し遅い始まりになる。このため、この日の朝は早起きメンバーと一緒に ショッピングをすることにする。Antonio ションピングセンターで DAISO や WAL-MART でショッピングする。DAISO は日本とまったく同じパッケージのものがたくさん売られていて、びっくりした。DAISO は安いというよりも(日本の)常識的なサイズで物が売られていて、その点でアメリカのスーパーなどよりも優れていると感じた。

11時からはじまった Google では駐車場の中でとこに駐車すればいいのかが分からなくてかなり長い間悩んでしまった。分からないときはさっさと警備員などに聞くということが大切だ。

Google で紹介された内容は JTPA シリコンバレーツアーと重複している内容。カフェで行われた食事は、Google のおいしいランチを食べながらGoole の人事担当の人と、英語で会話。Google のユニークさについていろいろと話ができてよかった。

Google の後は Yahoo に訪問。この Yahoo! への訪問は、メンバーがなかなか到着せずやきもきしてしまった。今回の裏シリコンバレーツアーでは、時間を守るというとても基本的なことが十分できていなかった点は、大きな反省点である。

Yahoo! は、もともと 16時までの予定であったにもかかわらず日本人の社員たちがとても長時間、応対してくれて、大変特別対応されていると感じた。インクトゥミからずっと検索技術に携わってきた技術者からの講演も大変興味深いものであった。

アメリカにおけるコミュニケーション能力というのは相手に分かる言葉で話すことができることだ。この講演での言葉は一つ一つが平易で、驚くほど理解しやすい。これはこちら側が日本人であることを意識して、そのように言葉を選んでくれているのだろう、と感じた。

日本人の技術者とのディスカッションの時間も予定の時間をはるかにオーバーして話し込んでいた。大変忙しいと Yahoo! の方々がこのような対応をしてくれたことがとても信じられない。この場を借りて謝意を表したい。

Yahoo! の後は最終日。id:tatemura の中の人と一緒に Tofu House に行く。大変 聡明な方で、その一緒にいた時間は知的な刺激にあふれた時間であった。 Tofu House で話しきれないほど話したいことがあったので、ホテルまできてもらい、一緒にいっぱい話す。他の日本人学生などともいっぱい話せてお互い有益な時間を過ごせたようだ。

この日が最後の夜だったため、他の人たちもいろんな人たちを連れてきていてくれた。たとえばインフォテリアの 江島健太郎さんなど著名な方々が同じホテルに一同に会してくれ、それぞれとても楽しい会話ができた。

3月12日(水)
この日は帰国日。名残惜しい気持ちも多い。

朝にロビーに向かうと、昨日別のメンバーが訪ねていったDebian のコミュニティで出会った、日本のアイドルオタクのおじさんが一回のロビーで会話していた。彼はよほど日本のアイドルについての話をしたかったのだろう。
いろいろとムービーを見せてくれた。

それから空港へと向かう。空港の International Terminal でみんなを降ろしてから私はレンタカーを返す場所まで行ったのだが、その間の距離がとても長く非常に不安になった。レンタカーを返す場所まで行く間に高速を通ることにびっくりである。途中の標識で一部、レンタカー返す人はこちらというような指示がなくなり、普通に町の名前だけ書かれたところを通ったときは、もともと不安になりやすい心理であるだけに間違えたのかと思ってしまった。

レンタカーの返却は検査などもなく、あっという間に終わる。ぎりぎりで行動している人も多いし、いろいろ保険などをがっつり一緒に申し込んでいるので、そういうものなのかもしれない。

レンタカーを返却後、無事、ターミナルに到着、みんなが待つところに着く。

このツアーの良かった点は数多くあるが、まず何よりも誰一人倒れることなく、事故に合うことなく、無事に帰国できるという点はうれしかった。

最後に空港で他のメンバーが来るまでの間に、wrap up のセッションをしていたときに、みんなとてもいいコメントをしてくれたのがうれしい。

このツアーは本当にたくさんの人の助け合いによって成り立っていて特にシリコンバレー現地で歓待してくれた人たちには感謝の念でいっぱいである。

このようなツアーをもう一度開催することができるのかどうかは分からないが、そのときはシリコンバレーで出会った人たちに報告できるような変化を起こしていたい。