アングロサクソンのモデルに賞味期限はきたか?

日経ビジネスオンラインに、「投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム」の著者の倉都さんが書いた文章が掲載されている。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20081014/173831/

新聞などでよく書かれているような紋きり型の「リスクが見極められない投資商品を〜〜」というような解説を超えている点がいい。

多くの場合、本質的な問題点は評価尺度が歪んでいることにある。今回の金融危機もそうだ。評価尺度が歪んでおり、それが広く知れ渡ってもなお存続し続け、一気に破綻するため、このような大きな金融危機が起きる。

トレーダはリターンでだけ評価される。ほかに、住宅ローンのブローカもローンを組んだ金額でだけ評価されている。そして、リスクは別の人がこうむる。

従来の新聞記事では紋きり型のストーリ作りが本当に多い。このような危機が発生しそれを経済に疎い人に説明するときは必ず現れる。本当の原因はだれでも理解できるような内容であるにもかかわらず、専門家でないと理解しないいけないような言葉で一旦 説明しつつ、しかしそれでは大きなしっぺ返しを受けるというストーリを描きたがる。人は現実の中にイソップ童話を見つけたいのだ。

真の原因は人間の強欲だ。リスクを他人に押し付け、自分だけ儲けようという人が多かったということだ。それは計算式が複雑すぎたことが原因ではない。利益を多くあげられ、追求されても誤魔化しやすい計算式がいい計算式だったからだ。