衆議院選挙民主圧勝
事前に予想されていたことだ。
今回の衆議院選挙で私がもっとも驚かされた点は、民主党の候補者たちの質の高さである。小沢一郎の指導に舌をまいた。全員が地方をくまなくまわるどぶ板選挙を勝ち抜いてきたのだ。
一時期、去年の今頃だろうか衆議院選挙を遅い時期に行うことが兵糧戦となり自民党に有利、民主党に不利に働くという議論があった。
しかしそれは逆の結果となった。
私は前回の参議院選挙の民主党の当選者を見て民主党は大丈夫かと心配した。それは能力の高い民主党議員をその参議院選挙につぎこんでいたからだ。特に郵政選挙で敗退した民主党候補者が、数多く参議院選挙で当選していた。
それを見たとき、民主党は今回の衆議院選挙は厳しい戦いになると予想した。新規に候補者を育成する必要があり、よい候補を擁立できないと思ったからだ。
しかしながら、参議院選挙後の2年は、民主党の候補者たちに成長の機会を与えることになったようだ。
政界の今後だが、私はもともと今回の衆議院選挙では民主党が政権を握るが、2010年の参議院選挙のあたりをタイミングに政界大再編が生じるのが望ましいし、おそらくそうなるだろう、と予想していた。
しかし、今回の選挙は民主党は単独で安定多数となり、連立で3分の2を超える勢力となった。
小沢一郎がいつものクセの思想浄化のための分党を起こさない限り、4年後の改選期まで衆議院は解散にならない。解散すれば確実に今の状況よりは議席数が減るからだ。
つまり、民主党がどのような政権運営をするとしても、今後4年間は与党として君臨するということだ。
民主党が政権担当能力があるのか、ないのかについてはまだ判断できる段階ではない。
そもそも自民党にだって、政権担当能力があるとはいえないという批判も多い。
それでも、民主党が勝ちすぎた結果、本来行われるべきであった政界再編が先送りになるのは残念である。